ほのぼの文庫ーはじめにー

 児童書の紹介を中心としたブログ「ほのぼの文庫」を立ち上げまして、足掛け4年の月日が過ぎました。

 二人の子どもたちを育てながら絵本や児童書の読み聞かせをした経験から、人生における児童文学の大切さを感じました。児童文学の良書が読み継がれるために、児童文学を深く味わい、良書を見い出すためのサイトにしたいと思っています。
 時折、一般書籍も加わりますが、絵本や児童書の古典から新刊まで良書を見い出すたびに、レビューを書き、掲載していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。      

 初めの2年間は、まめに児童書の書評を更新することができましたが、一昨年より、個人的な事情でぼちぼちの更新となってしまいました。ブログ友の皆様には、気長にお付き合いいただき、感謝いたしております。

 また、梨木香歩さんの作品の植物アルバムを閲覧に来てくださる方が多く、植物アルバムを作成するにあたってお写真を提供してくださいました皆様(Botanical Garden 青木繁伸様(前橋市) Crystal Bear 小熊清史様(富山県魚津市) 日本の四季 布袋竹様(鹿児島市) 岡村葡萄園(新潟県)「花の家」(三浦半島・なずなさん)・「ハーブの畑」の皆様 )に改めて感謝致します。

 今後も多くの方々にご覧になっていただき、梨木香歩さんの作品鑑賞を深めていただけるとうれしく存じます。

 私事ですが、再就職先が決まり、4月からフルタイムで勤務することになりました。ブログの更新がままならず、コメント、トラックバックへの対応が遅れがちになるかもしれませんが、どうぞよろしくお付き合いくださいますようにお願い致します。

Photo_3  まざあぐうす(HNの由来は、こちらです。)             

続きを読む "ほのぼの文庫ーはじめにー"

| | コメント (0)

2008/06/19

映画『西の魔女が死んだ』6月21日より全国一斉放映&植物アルバム

 こちらのサイトを訪れて下さる皆様が、 梨木香歩作品の植物アルバムをご覧になっていただいているようですので、大変うれしく思っています。映画『西の魔女が死んだ』が6月21日より全国一斉ロードショー!映画情報は、こちらをご覧ください。

 『西の魔女が死んだ』の植物アルバムは、こちらです。

主人公のまいが「ヒメワスレナグサ」と呼び、水を与えていた雑草の「キュウリ草」。針葉樹林の陽の当たらない洞に神秘的な花を咲かせる「銀龍草」、まいのおじいちゃんが大好きだった花です。おじいちゃんは、「鉱物の精」と呼んでいました。まいが「空中に蓮の花だ」と言う「朴の花」。登場人物と自然の植物との交歓が魅力的な作品です。

| | コメント (18)

梨木香歩著『家守綺譚』の植物アルバム

 梨木香歩さんの作品を繰り返し読んでいます。梨木さんの作品の魅力は・・・?と少しずつ分析していますが、その一つに植物が作品の世界を豊かにしていることではないかと思います。

 『家守綺譚』を読み、アルバムを作ってみました。こちらです。アルバムの写真は、以下の皆様のご了承を得まして、HPより転載させていただきました。快く写真の使用をご承諾下さいましたこと、心よりお礼申し上げます。

「Botanical Garden」(群馬県前橋市:青木繁伸様)・「Crystal Bear」(富山県魚津市:小熊清史様)・「日本の四季」(鹿児島県:布袋竹様)・「岡村葡萄園」(新潟市潟浦新19:ナオミチ様

植物の写真を見ながら、再読すると『家守綺譚』の世界をより深く味わうことができます。

続きを読む "梨木香歩著『家守綺譚』の植物アルバム"

| | コメント (19) | トラックバック (9)

2008/06/18

『蟹塚縁起』(梨木香歩・文/木内達朗・絵)(理論社)

(梨木香歩・文・木内達朗・絵)『蟹塚縁起』(理論社)
梨木香歩さんの語りと木内達郎さんの絵の絶妙なコンビネーションによる蟹塚の由来ー二世代にわたる恨みが昇華されてゆく哀しく美しい物語です。

 むかしむかし、薮内七右衛門という武将がいました。何千人もの兵を率いて戦っていた七右衛門は、家来たちをそれはそれは大事に思っていました。 七右衛門は、大事な家臣が人質にとられたと知った時、敵の罠とは知りながら、駆けつけたのです。
 他の家来たちも次々に打たれ、兵たちの屍が累々としている中、続けざまに敵の矢を受け、愛馬松波丸もろとも、同田貫正国という九尺五寸の刀を握り締めたまま、どうっとばかりに地面に崩れ落ちました。七右衛門は、「ああこの土と、もっと親しんで、生きたかった…」との思いを遺しながら、息絶えてゆきました。無念の戦死でした。

 七右衛門の思いは、同じ土地にとうきちという農民の子として生まれ変わりました。前世を語る旅人・六部…とうきちに前世の記憶が鮮明に甦る出来事が起こります。
 

続きを読む "『蟹塚縁起』(梨木香歩・文/木内達朗・絵)(理論社)"

| | コメント (9)

2008/05/18

愛することのかけがえのなさ

 4月にNGOにフルタイムで勤務を始めて以来、NGO関連の専門書を読むことに専念していまして、おまけに土日の出張などもあり、ヘトヘト状態で、読みたい児童書が積読状態となっていました。

 連休を経て、ようやくブログ友のこひつじ文庫さんが紹介されていた児童書3冊を読みました。

・「彼の名はヤン」(イリーナ・コルシュノフ作 うえだまにこ訳)徳間書店
・「ベンはアンナがすき」(ペーター・ヘルトリング作 うえだまにこ訳)偕成社
・「あなたはそっとやってくる」(ジャクリーン・ウッドソ作 さくまゆみこ訳)あすなろ書房

「彼の名はヤン」

 第二次世界大戦末期のドイツが舞台。17歳の少女レギーネはポーランドの青年ヤンと恋に落ちた。だがナチスが「下等人種」とするポーランド人とつきあうことは大罪だった。逮捕され、監獄へ送られたレギーネは辛くも脱出し、さまざまな体験を、ヤンから学んだ広い世界のことを語り出す。無惨に引き裂かれたポーランド人青年との恋をとおして、戦争の真実を見つめる17歳の少女を描く物語。

「ベンはアンナがすき」

 10歳のベンは、ポーランドから転校してきたアンナが好きになります。計算が手につかなくなったり、友だちにやきもちを焼いたり、帰りに待ち伏せをしたり、ラブレターを書いたり・・・。その恋の初々しさと同時に、離れ離れにならなければならない二人の運命が切なくもあります。初恋というにはあまりに幼い恋の物語。


「あなたはそっとやってくる」

 

 十五歳のジェレマイアとエリー。
 マイアは黒人。エリーはユダヤ系の白人です。
 私立パーシー学院に転校した二人は、はじめて会った瞬間から、お互いのことが忘れられなくなり、少しずつ距離をちぢめていきます。
 しかし、人種の壁が二人の間に・・・。
 Audre Lordeの詩"If you come softly "に触発されて書かれたリリカルなラブストーリー。初恋の初々しさとはかなさと越え難い人種差別を感じさせられる切ない物語。

If you come softly
as the wind within the trees
you may hear what I hear
see what sorrow sees.

木立を渡る風のように、そっと
あなたがやってくるなら、
きっと聞こえるでしょう、私に聞こえるものが。
見えるでしょう、悲しみの目に映るものが。

 歴史的な運命、人種の違い・・・本人の努力の叶わない運命に翻弄されながらも、純粋で確かな足跡を残したであろう恋の物語。 3冊の本を読み終えて、この時代、この国に生まれ、この国で出会う必然性を思い、愛する対象が存在することの有難さを思いました。恋が愛に至ること自体、稀であるのかもしれません。親子、きょうだい、親友、男女の愛に限りません。何があっても愛したい人をしっかり愛し続けたいと思いました。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

『アンネ・フランクのバラ アンネの意志を受け継いだ人びと』(アンネのバラの教会 高橋数樹・編)(出版文化社)

Annenobara

今年もわが家にアンネ・フランクのバラが咲きました。この4月からフルタイムで勤務を始めましたので、ベランダいっぱいに植えていた花や木々を差し上げたり、移植したりしましたが、アンネ・フランクのバラだけは手元に残しました。手塩にかけて育てることができるのは、この花だけ・・・と心に決めています。星の王子さまが自分の星で唯一大切に育てていた花に思いを馳せながら、育てています。携帯カメラの写真ですので、画像があまりよくありませんが、この夏の初花をご覧になってください。(ちなみにアンネ・フランクのバラは、四季を通して咲きます。私は冬は無理をさせないように休ませています。)

 アンネ・フランクにまつわるバラの花をご存知ですか?「Rose Garden」のラ・ロズレさんのご紹介で、『アンネ・フランクのバラ』を読みました。
 「アンネのバラ」は、蕾の時は赤色、開花するとオレンジ色に黄色がかった黄金色になり、時間の経過とともに花弁の先からサーモンピンクに変色し、さらに濃い赤色になるという美しいバラの花です。(「アンネのバラ」の写真は、Rose Gardenのこちらにアップされています。)
 『アンネの日記』に感銘を受けたベルギーの園芸家デルフォルヘ氏によって1955年に作出されSouvenir d’Anne Frank(アンネ・フランクの形見)と名づけられました。1960年に世に発表され、1962年にアンネの父親であるオットー・フランク氏に贈られたバラの花です。
 そのバラが、同著の執筆者である大槻武二・道子牧師が関わるしののめ合唱団とオットー氏との出会いを通して、1972年のクリスマスにオットー氏から日本に贈られました。

続きを読む "『アンネ・フランクのバラ アンネの意志を受け継いだ人びと』(アンネのバラの教会 高橋数樹・編)(出版文化社)"

| | コメント (6) | トラックバック (1)

«絵本・ガーデニング・手作りの生活 ― 夢を追い続ける幸福 ターシャ・テューダー展