台湾の絵本(宝迫典子さんの翻訳)『いすになった木』、『たね、ぺっぺっ』、『ぼく、グジグジ』
自分が親しんできた絵本や童話を振り返ってみるとドイツやフランス、イギリスとヨーロッパの作品が多いように感じます。案外、アジアの絵本や童話を読んでいないことに気づかされました。
中国語の翻訳に携わっていらっしゃる宝迫典子さんのHPにて、台湾の絵本を知り、素敵な作品に出会いましたので、ご紹介させていただきます。![]()
『君のいる場所』、『地下鉄』や『君がいたとき、いないとき』など、台湾の絵本作家ジミーさんの作品の翻訳もなさっていますが、今回は、『いすになった木』、『たね、ぺっぺっ』、『ぼく、グジグジ』をご紹介させていただきます。
宝迫典子さんのHP☆しのわずり☆は、こちら。最近、「しのわずり」中華に関することをいろいろなんでも・・・というブログを始められました。こちらです。
『いすになった木』
『いすになった木』は、こちら・bk1へ。
中国語圏の絵本の翻訳に力を入れてゆきたいという翻訳者・宝迫典子さんの初めての翻訳絵本~さり気ないやさしさを教えてくれます。
巨人エイトの花園に一本の変な木がありました。首だけ長く、葉っぱも少し、花も香りを放たず、木の実は真夜中になって、朝には落ちます。木登りされないように木の幹はつるつる。
鳥もきらい、蝶もきらい、人間の子どもたちもきらい。自分のことだけしか考えられない木です。枝も葉っぱもない木は、動物たちから嫌われ、いつも花園の中でひとりぼっち。
花園を歩いていた巨人が、その奇妙な木に目を留めました。椅子の形をした木に座って休むことにしたのです。
「なんて きもちが いいんだろうねぇ、きみは」という巨人の言葉に何とも言えないいい気持ちを木は味わいました。「いすの木」を見つけた巨人は、ちょくちょくやってきて、本を読んだり、ハトにえさをあげたり、子どもたちと遊んであげたり…。
木は少しずつ変ってきました。
エイトを日差しから守るために枝をすくすく伸ばし葉を繁らせます。
春になると花も咲かせました。
エイトは、花を愛でて詩を読んだり、歌を歌ったり…。リスたちもやってきました。
木のまわりに動物達や子どもたちが集まって来ました。
アジアの絵本は日本であまり多く紹介されていません。中国語の新聞や調査データを日本語に訳す仕事に携わりながら、中国語圏の絵本の翻訳に力を入れてゆきたいという翻訳者・宝迫典子さんの初めての翻訳絵本。台北で2年に一度すばらしい童話と絵本に送られる「牧笛賞」受賞作品です。
偏屈な孤独な木が変ったのは、巨人のひと言でした。
わたし達人間も誰かのひと言で救われることがあります。自分のことだけを考えて生きている自分から、誰かの役に立つことができる自分の存在価値を知らされた時、自分が生まれてきた本来の意味を問い始め、人は変り得るのかもしれません。単純なストーリーですが、人生にとって大切なメッセージが込められているような気がします。さり気ないやさしさを教えてくれる絵本です。
『たね、ぺっぺっ』
パパイヤのたねをぺっぺっと出さなかったこぶたのぷくちゃんーパパイヤの種から生まれた愉快な台北の絵本です![]()
『たね、ぺっぺっ』は、こちら・bk1へ。
ぶどうやスイカ、みかんやパパイヤを食べるとき、皆さんは、たねをぺっぺっと出しますよね。ところが、こぶたのぷくちゃんは、パパイヤの種まですっかり食べてしまいました。
こぶたのぷくちゃんは、大勢のこぶたの中でもとびきり大きいこぶたです。普段は静かなこぶたですが、ごはんの時は人一倍元気になります。
パパイヤの種まで食べてしまったぷくちゃんは、みんなから「木がはえてくるよ」と言われて、真っ青。しくしく泣き出してしまいました。
パパイヤの木が自分の頭の上からはえてきた時の姿を想像しているうちに、ぷくちゃんは、「そうだ。せかいに たくさん きは あるけれど、ぼくの、あるける きに かなう き なんて ないよ!」と思うようになりました。木陰にみんなを休ませてあげることができるし、パパイヤの実がなったら、みんなにあげようとぷくちゃんは思いました。
ぷくちゃんって、食いしん坊なだけではなくて、やさしいのです。
パパイヤの木がはえてくることを楽しみにベッドで眠ったぷくちゃんですが、翌朝、トイレで「あはははは」と笑います。笑うぷくちゃんも愉快、「まあ、いいや。もし、はえてきた パパイヤが おいしくなかったら、ヤだもんね」と言って頭をポリポリかくぷくちゃんもかわいい。
ぷくちゃんの想像したパパイヤの木が愉快に描かれています。皆さんも絵本を開いて、ぷくちゃんの頭からはえてきた歩けるパパイヤの木を見てみませんか。
『ぼく、グジグジ』![]()
どの本もユニークな絵本です。明るく、前向きで、愉快、そして、ふっと心が和らぐ絵本です。
『ぼく、グジグジ』は、こちら・bk1へ。
あなたは、あなたのままでいいんだよ。-ゆかいでたのもしいグジグジと大きな心で子どもたちを見守るアヒルのかあさんに出会えるやさしい絵本です。まざあぐうす
黄土色の卵が、コロコロところがっていく。
林を、お花畑を、そして坂をコロコロところがる卵
一体何の卵だろう。
最後にコロンとアヒルの巣の中に入ってしまった黄土色の卵
かあさんアヒルは、何にも無かったかのように卵を温め続ける。
めがねをかけて、本など読みながら卵を温めるかあさんアヒル
卵が孵った。
一匹目は、水玉模様のアヒル、クレヨンと名づけられた。
二匹目は、縞模様のアヒル、しまうまと名づけられた。
三匹目は、黄色いアヒル、つきのひかりと名づけられた。
四匹目は、全身が青緑色のみにくいアヒル
ずっとグジグジ、泣いているので、グジグジと名づけられた。
クレヨン、しまうま、つきのひかり、グジグジ
みんな違っていても、同じようにかわいがるかあさんアヒル
子どもたちが寝ている時は、めがねをかけて本を読んでいるかあさん
さて、グジグジによく似た動物が湖にあらわれました。
大きくて鋭い歯を見せつけるように笑っています。
さて、グジグジの正体は何でしょう。
それは、『ぼく、グジグジ』の絵本を読んでからのお楽しみ。
『みにくいアヒルの子』の結末とは違います。
グジグジは、勇気をもって、自分の姿を認めます。
グジグジの賢い判断と勇気ある行動でアヒルたちを助けます。
この絵本を開いて下さい。
ゆかいでたのもしいグジグジに会えます。
大きな心で子どもたちのことを見守るかあさんアヒルに会えます。
クレヨン、しまうま、つきのひかり、グジグジ
みんなそれぞれの違っていていいんだよ。
グジグジは、グジグジのまま、グジグジらしく生きてゆきます。
わたしもわたしらしく生きたいな。
あなたは、あなたのままでいいんだよ。
そんなことをさり気なく伝えてくれるやさしい絵本です。
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コメント
チョムプーさん、コメントをありがとうございます。これからそちらに伺いますね。新たにご紹介いただいた漫画も楽しみです。
『あなたの夢はなんですか?・・・』は、本当に考えさせられますね。感想を何らかの形でお伝えくださるとうれしいです。
投稿 まざあぐうす | 2005/02/08 23:17
こんにちは!先ほどは私のほうにコメントありがとうございます。そちらのほうにそのほかのおすすめマンガも書いておきました~。
そして、偶然、今日は図書館にリクエストしていた『あなたの夢はなんですか?』が来て借りにいき、いっしょに台湾の絵本も借りてきたところなんです。また近いうちに感想をアップしますね。
『あなたの夢はなんですか?』は子どもも読める形だったのですね。その中でも、「世界の2割の国が、世界の70パーセントの食料を食べてしまっている、のこり30パーセントの食料を、世界の80パーセントの国の人がわけあっているので、飢餓状態になっている。その中でも、日本とアメリカで世界の食料の40パーセントを消費するというぜいたくをしている」という記述が、とても耳に痛かったのです。うちは家族3人で小食家族、結構買ってきた食材を使い切れなかったりしてしまうのです。これからはもっともっとだいじに使わなければ!
投稿 チョムプー | 2005/02/08 22:41