« 関礼子著『樋口一葉』(岩波ジュニア新書) | トップページ | (ピエール・マリー・ボード・作)『消えたオアシス』(鈴木出版) »

2005/05/07

絵本『あー ゆう はっぴー?』&『Never give up!』( YASUE・作)(ライブリーカフェ然々・発行)

yasuesan_ehon

 YASUEさんの絵本『あー ゆう はっぴー?』と『Never give up!』は、それぞれ「頑張りすぎて疲れてしまったあなたへ・・・」向けて、また、「心が空っぽになってしまった、あなたに読んでもらいたい」という思いを込めて書かれた絵本です。【号外】やまねこ新聞社の山猫編集長さんのご紹介によって知りました。

 茨城県に住むOLのYASUEさんは、数年前にストレスから肉体的・精神的に参ってしまい入院した経験があります。言葉に表せない苦痛と絶望の日々から元気になった今、同じ病と闘っている人達を勇気付けたいと思い、絵を描き、絵本を作ることを思い立ちました。

  幸せになるためには 何をすればいいんだろう? 決して ムリすることだけじゃないはず 自分の 心と体は 自分にだけしか分からない 心と体が 疲れちゃった 自分を うんと甘やかしていいんだよ

 『あー ゆう はっぴー?』の一頁から引用したYASUEさんの言葉です。

 親には言えない言葉かもしれません。それは、世の中の厳しさを子ども達に教えなくてはならないと心のどこかで思っているからです。

 教師にも言えない言葉かもしれません。努力しなくてはならないと思っているからです。

 友達なら言えるでしょうか?案外思いつかない言葉かもしれません。

 さり気ない言葉ですが、誰もが言えそうもない言葉です。そんな言葉に満ちた『あー ゆう はっぴー?』。

 あの時の苦痛があったから「今、幸せ!」、そして、あの時の苦悩に「感謝」というYASUEさんの言葉と絵が、同じ悩みを抱えて生きている方の元に届くことをひそかに願っています。

 ひたちなか市にあるライブリーカフェ然々のHPで購入できます。

 そして、『うつと気楽につきあう67のヒント』(総合法令)を紹介させていただきます。たとえ、うつを患っても前向きに生きてゆけるんだという勇気が与えられます。

熱田二朗著『うつと気楽につきあう67のヒント』(総合法令)>bk1

utsutokirakunitsukiau  ビジネスマン(ウーマン)に対するコーチングやカウンセリングのプロである熱田二朗氏が、うつを患う兄と向き合って得たうつと気楽につきあうための67のヒント集。
 類書が多い中、兄弟の立場で書かれた本として、また、ノンフィクションである点、そして、67の項目ごとに「うつの方へ」と並んで「周りの方へ」のアドヴァイスが添えられている点に、本書の特徴があると思います。

 著者はうつを患う兄と向き合い、「あきれめましょう!受け入れましょう!ひとしきり自分を責めた後は、もう受け入れる体制が十分にできているはずです。思い切って受け入れましょう。うつの状況には悪い面ばかりではなく、よい面もたくさんあるのです。」とうつを肯定的に捉えています。医療関係者でもなく、親でもなく、うつ病患者本人でもなく、兄弟の立場で書かれた本書は、非常に客観的でありながら、血の通った暖かい言葉に満ちています。
 ノンフィクションとして、著者の言葉と同時に兄であるYuichi Atsuta氏の言葉と写真が添えられています。うつを受け入れ、うつと共に生きる二人の言葉のコラボレーションの中に、単なるうつへの対処とうつの説明に終始しない、必死な息遣いが感じられます。
 うつや不安神経症、パニック障害など精神系の類書は、医学関係者に向けて、あるいは、患者本人に向けて書かれていますが、本書には、「周りの方へ」というアドヴァイスが添えられています。読んでいくうちに、うつを乗り切るためには、周囲の理解が欠かせないという前提で本書が書かれていることが分かります。
 うつになるとまず本人が驚き、自分の症状を認めたくないのが事実でしょう。ましてや、周囲にいる家族や恋人、友人は、どうしてよいのか分からないのが現状でしょう。必然的に、うつを患うと、うつ病による苦しさと同時に、理解されない苦しさを味わうことになります。
 兄のうつを共に耐えた著者は、うつを患う本人と同時に周囲の人たちに、「一緒に・・・」と繰り返し提案しています。この「一緒に」という言葉の中に、うつ病を特別視するのではなく、あなたも私もなり得る症状のひとつなのだと著者の思いが込められているのではないでしょうか。誰もがどんな状況の下に、どんな病を患うかは人間である限り予測不能です。支える側も支えられる側も、同じ土俵の上に立つことを著者はさり気なく主張しています。

 本書では、うつのつらい気持ちの伝え方、うつを肯定的に捉える方法、だれでも簡単にできる気分転換法、大切な人がうつになったときのつきあい方など、うつとつきあうための67のヒントが紹介されています。項目ごとに整理されて分かりやすい言葉で書かれています。誰もが気楽に読めます。読み終えた時、たとえ、うつを患っても何とか生きてゆけるんだと気分が明るくなります。
 うつを患っている方、気分的に落ち込みがちの方、自分の大切な人がうつを患っている方、更年期を迎えてうつが心配な方、うつを知りたい方にお勧めの一冊です。

|

コメント

 山猫編集長さん、暖かいコメントをありがとうございます。
 私の娘は知的な障害を抱えていますが、知的な障害もまだまだ理解が進んでいない状況です。知的な障害と精神的な疾病とは異なりますが、理解を得るのが困難であるという点において同じです。そして、知的な障害を抱えている方の中には、精神の疾病を重ねて病んでいる方も少なくありません。そんな現状を生きているだけに、人ごととは思えません。

 精神的な疾病に関する理解が少しでも広がってゆくことを願っています。

投稿 まざあぐうす | 2005/05/08 16:13

まざあぐうすさんへ、ありがとう。
優しさにあふれ、また具体的にわかりやすい文章でご紹介くださり、とてもうれしく思いました。
精神的な疾病については、最近ではようやくその部分的なものが語られ始めたばかりのような気がします。
まざあぐうすさんが、ご紹介くださった本の解説にもありましたが、まわりの方のケアによってもずいぶんと本人の病気に対する向き合い方が変わってくるものなのですね。
YASUEさんお一人のことではなく、病気にどうつきあっていくのかということで、悩んでしまっている方も少なくないのかもしれませんね。
まざあぐうすさんの記事は、そういうことの大きな認識を改めて考え直すきっかけを与えてくださいました。
改めて感謝。
--(や)--

投稿 山猫編集長 | 2005/05/08 09:13

YASUE様、コメントをいただき、ありがとうございました。YASUEさんの思いが、少しでも多くの方に届きますように願っています。YASUEさん、そして、同じ症状を耐えて生きている方々に心からエールを送らせていただきます。YASUEさん、お元気で、また新たな絵本を創り出してくださいね。

投稿 まざあぐうす | 2005/05/07 22:15

まざあぐうす さま

はじめまして『あーゆうはっぴー?』を作成したYASUEです♪
今回 本の紹介をして頂きありがとうございますm(__)m
YASUEは まだ完全復帰していませんが こうして皆様方の 暖かい応援により 元気がワイテキマス(^O^)/

今現在 同じ病に悩んでいる方へ
YASUEが入院していた時に知り合った大切な人から もらった言葉です。「YASUEちゃん 焦っちゃ負けだよ!『焦らず、ゆっくり、少しずつ。』だよ!」その言葉を 今でも大切にしています。YASYEの大切な人は現在 結婚して 幸せな暮らしを送っています。『焦らず、ゆっくり、少しずつ。』で みなさん一緒に踏ん張って行きましょう!!

投稿 YASUE | 2005/05/07 17:40

 zenzen様、早速お読みいただき、うれしいです。
 YASUEさんの絵本を読んで、ほっとする方がきっといらっしゃると思います。少しずつYASUEさんの想いが、必要としている方の元に届けられますように、祈っています。
 そして、zenzenさんの素敵なお店のことも皆さんに知っていただきたいです。今後のご発展を楽しみにしています。

投稿 まざあぐうす | 2005/05/07 15:54

まざあぐうすさま、YASUEの絵本のご紹介ありがとうございます。
茨城のしかも小さな田舎町で出した絵本が、こうして皆様のブログでご紹介されたことから、全国のいろいろな地域の方からお申し込みいただきます。
多くの方に見ていただき、少しでもお役に立てたら、それがYASUEの想いでスタートしました。
そんな夢が少しづつ叶っていく。
そんな気がします。
ありがとうございました。

投稿 zenzen | 2005/05/07 14:46

この記事へのコメントは終了しました。