ローズマリ・サトクリフの世界~猪熊葉子氏講演会
サトクリフの翻訳家として、また、児童文学者として著名な猪熊葉子氏の講演を聴きました。
猪熊葉子氏講演会 サトクリフー歴史物語は現代の読者に何を与えるかー (10月7日(金)午後2時から3時半 東京福音会センター集会室 主催:教文館)
サトクリフが歴史ファンタジー作家として登場するまでの時代背景とイギリス児童文学の歩みに始まり、サトクリフ作品が現代の読者に何を与えるかが語られました。
ローズマリ・サトクリフの作品は、こちらです。
バーネットやアーサー・ランサムなど20世紀のイギリス児童文学の黄金時代を経て、第二次世界大戦後、リアリズムの児童文学において楽天性の維持が困難になった時代に、歴史に素材を求めて作品を書いたのがサトクリフ。
- 『王のしるし』(自分の最も大切な人を殺さねばならない)
- 『太陽の戦士』(命がけの人間的試練に出会う)
- 『ともしびをかかげて』(忠誠心とは何か?命がけのぎりぎりの選択が迫られる)
人間として(命がけの)苦渋に満ちた選択に迫られた時、いかに乗り越えてゆくかを問う時、現代という舞台では表現できず、創作者として歴史に戻ってゆくしかなかった。
サトクリフにとって大切なものは、歴史の連続性(継続性)。歴史上の壮大な舞台を通して、人間の苦渋を大きく描き出し、人間としての可能性、尊ぶべきものを現代を生きる私たちに伝えてくれる。
サトクリフは自らの障碍を乗り越えて作品の創作に専念しました。その生涯は『思い出の青い丘』(猪熊葉子訳)に綴られています。
岩波書店 (1985.5)
通常2-3日以内に発送します。
大学の専門でも一年間ほどかかるであろう深いテーマですが、濃縮した言葉で語られ、非常に分かりやすいお話でした。講演のエッセンスのみを抜粋して、まざあぐうすが要約しました。サトクリフと同時代の児童文学作品との比較や猪熊先生がサトクリフと会われた時のエピソードなど興味深いお話に満ちた1時間半でした。(とても美しい方でした。サインをしていただきました。)
教文館6階ギャラリーでは、サトクリフ作品の舞台となった現地イギリスの写真がパネル展示されています。
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コメント
マーガレットさんへ
猪熊先生、ホントに美しくて、知的ですてきな方でした。
3回連続の講演を聴講なさったとのこと、きっとたくさんのことを学ばれたのでしょうね。うらやましいです。
サトクリフ作品を読むに当たって、昨日の講演はとても参考になるお話でした。再読も含めて、時間をかけてサトクリフの作品を読みたいと思っています。
投稿 まざあぐうす | 2005/10/10 21:07
Yanさんへ
猪熊先生あっての日本のサトクリフ作品。
本当にすばらしい日本語訳。先生のお話を伺って、その思いをさらに強くしました。
「はるかスコットランド・・・」ぜひ、猪熊先生の訳で復刊が叶うといいですね。
投稿 まざあぐうす | 2005/10/10 21:04
すごいですね。こんなにたくさんの作品があったのですね。まだまだ読んでないものの方が多くて、さらに読んでみようと思いました。
猪熊先生は本当にお年を召していらっしゃるのに知的で素敵な方ですね。今年の3月に、「子どもは文学に何を求めるか」というテーマで3回にわたってお話を伺いました。学ぶところが多いお話でした。まざあぐうすさんもよいお話が聞けてよかったですね。
投稿 マーガレット | 2005/10/09 23:12
猪熊さんの講演、内容の濃い素晴らしいものだったようですね。
もし名古屋においでになるなら何を置いても駆けつけたいです。
猪熊さんあってこそサトクリフが日本の子どもたちの心に根付いたのだと思います。
子どもの頃に読んだ「太陽の戦士」
一番好きな「王のしるし」
最高傑作「ともしびをかかげて」
そして「思い出の青い丘」どれもよい作品です。
たくさんの人に読んでいただきたいです。
猪熊葉子さんの訳で
「はるかスコットランドの丘を越えて」が
再版されるのを願っています。
わたしのこれからの目標はサトクリフを原書で読むことです。
猪熊さんの日本語の素晴らしさを再確認するために。
投稿 Yan | 2005/10/09 20:33