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2006/09/21

<普及版>『クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々』(のら書店)

 『クシュラの奇跡-140冊の絵本との日々』は、染色体の異常により複雑で重い障害を抱えたニュージーランドの女の子クシュラが生まれてから3歳9ヶ月になるまでの成長の記録とその間にクシュラが出会った140冊の絵本の物語です。腎臓や心臓、視力、身体的な発育の遅れと、生後間もなく次々と異常が発見され、絶望的な日々を送っていたクシュラとクシュラの両親に一条の光を与えたのが絵本の読み聞かせでした。昼夜分かたず眠れないクシュラを膝に抱きながら、母親が始めた絵本の読み聞かせに、クシュラは強い関心を示し、その後、医学的な診断を超えた成長を遂げることになります。

 この本の著者のドロシー・バトラーは、孫娘クシュラを通して多くのことを学び、その学んだことの意味を裏付ける勉強をするために、オークランド大学の教育心理学科に再入学し、「クシュラ、ある障害児のケース・スタディー生後三年間の日々を豊かにしたもの」と題する研究論文を書きました。書店を経営して一家の生活を支え、クシュラと本の交流を絶やさないように努めていた日々のことです。その論文が書籍化されました。

クシュラの奇跡
ドロシー・バトラー著 / 百々佑利子訳
のら書店 (1985)
通常2-3日以内に発送します。

 日本で翻訳出版されたのは1984年。当時、名作絵本の手引書として、また、子どもの成長における読み聞かせの意義を伝える本として高い評価を得ました。私が同著と出会ったのは、生後10ヶ月の長女が点頭てんかんと診断された1986年のことでした。悲嘆にくれる日々に、同著と出会い、深い感銘を受けました。そして、何よりも、巻末のクシュラの言葉がじんと胸に沁みました。
 3歳8ヶ月になったクシュラが人形を抱きしめながら「さあこれで、ルービー・ルーにほんをよんであげれるわ。だって、このこ、つかれていて、かなしいんだから、だっこして、ミルクをのませて、ほんをよんでやらなくてはね。」と言います。クシュラの言葉に、「そうだ。私も疲れていて、悲しいんだから、絵本を読もう。」と思いました。

 

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2006/09/16

「クシュラの奇跡・普及版」発売記念・百々佑利子氏講演会「クシュラの奇跡をめぐってー子どもの成長と本の力ー」

 今日の午後、教文館主催の百々佑利子氏の講演会「クシュラの奇跡・普及版」発売記念「クシュラの奇跡をめぐってー子どもの成長と本の力ー」に行って来ました。

 「クシュラの奇跡ー140冊の絵本との日々」(ドロシー・バトラー著)が日本にはじめて紹介されたのは1984年のことでした。その翌年1985年8月30日に娘が点頭てんかんという難治性のてんかんを患って生まれて来ました。病名と将来背負うであろう重度の知的なハンディを告げられ、絶望的な思いと極度の不安の中で、娘を育てていた当時、講読していた雑誌を通して知った同著に深く感銘を受けました。

クシュラの奇跡
ドロシー・バトラー著 / 百々佑利子訳
のら書店 (1985)
通常2-3日以内に発送します。

 重度の障害をもって生まれたクシュラが、周囲の大人の愛と絵本のもつ大きな力によって、生涯を克服しながらすばらしい成長を遂げた事実は、私のような障害児の母親だけでなく、多くの人々の心に感動を呼びました。子どもの成長過程において、絵本が果たす重要な役割が抑制のきいた文章で綴られています。翻訳者である百々佑利子氏の果たされた役割の大きさを今さらのように感じます。

 今年三月にハンディ版が出版されました。「クシュラの奇跡・普及版」の発売を記念して開催された講演会です。今日は、百々氏によって、同著の持つ意義が語られました。

  • クシュラの母親であるパトリシアが詳細な育児記録を取っていたことが、同著に客観性と具体性を与えていること
  • クシュラの両親がすぐれた知性の持ち主であり、その知性をクシュラに捧げ、愛情をたっぷり注いだこと
  • 身体的障害が発達を促す要素もあるということ
  • 身体的な障害を補う代償プログラムとしての絵本の読み聞かせの意義

 当時購入した同著は、娘が通っていた通所訓練施設の文庫に寄贈しました。障害を抱えている子どものお母さん達に読み聞かせの大切さを知って欲しかったからです。今日、ハンディ版を購入しました。そして、なつかしい文章を再読しています。翻訳者の百々佑利子氏にサインをいただきました。再読して、レビューをまとめてみたいと思っています。

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2006/09/10

『ホビットの冒険』から『指輪物語』へ

 8月の末から体がだるいと思って過ごしていましたら、思いっきり扁桃腺を腫らしていました。先週末から家で寝たり起きたりの日々を過ごしています。年齢的なものからか、以前のように喉が腫れても熱が高くならないので自覚症状がなく、いきなり悪寒が走り、食べ物の喉の通りが悪くなって気づく有様です。

ホビットの冒険
J.R.R.トールキン作 / 瀬田 貞二訳 / 寺島 竜一絵
岩波書店 (1988)
通常24時間以内に発送します。

 それで、思いっきり読書に時間を使おうと思い、長編に挑みました。映画が公開されるまえに一度読んだ『指輪物語』9巻ですが、今回は『ホビットの冒険』から読み始めました。すると以前読んだ時とは違った指輪物語への親しみを感じています。今、2巻目を読み終えましたが、フロドの旅がかつてのビルボの旅と重なり、なつかしさと未来へのドキドキ感とですっかり指輪物語の世界に嵌っています。

 扁桃腺の腫れと体のだるさは辛いものの、時おり眠りながら、読むファンタジーは夢の世界のようですてきです。受講している児童文学の通信講座も半分を終え、いよいよファンタジーに入ります。

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