思い出の復権
昨秋から年末年始にかけて、長編ファンタジーを読んでいました。『ナルニア国物語』から、『指輪物語』、『トムは真夜中の庭に』、『銀のほのおの国、そして、エンデの『モモ』と『はてしない物語』。
『はてしない物語』を読んでいる最中には、パラレルワールドのように、現実にもハプニングがあって、自分自身を見つめる機会となりました。
「忘れて変容した記憶があればあるほど人格が豊かになります。」『エンデと語る』より
エンデの言葉に慰めを得ています。
そして、その言葉の解説を『ファンタジー文学の世界へ』の中で工藤左千夫氏が次のように書かれています。
「過去の記憶は「思い出」として様々な出会いを待っている。この無意識界に置き忘れられた「わたし」はそれを待っている。過去(思い出)の復権とは「わたし」のそれであり、真の望みを人の未来へとつなげる行為(希望)なのだ。たとえ、嫌な出来事や人との出会いがあろうと、そこにも「わたし」のメルヘンへ導く契機はある。
これらの契機は「わたし」の生き直しを促さずにはおかない。ただし、それは全く異なる人格になることを意味しない。「わたし」の輝きを取り戻すことによって、今の擬似的な「わたし」の壁をはずしていく(変えていく)ことなのだ。この壁を外していく過程に多様な思い出の復権があり、情操(喜怒哀楽)という魂が息を吹き返す。 」(同著より引用)

最近のコメント