ターシャ・テューダー『クリスマスのまえのばん』(メディアファクトリー)
『クリスマスのまえのばん』は、神学者、そして、文筆家であるクレメント・クラーク・ムーアが、自分の子どもたちのために、オランダの伝承とそのお祭りを元として作ったA Visit from St. Nicholasという詩にターシャ・テューダーがイラストを添えた絵本です。
原詩は、今から180年ほど前のアメリカで発表されて以来、「八頭立てのトナカイに乗ってやってくる小人のサンタクロース」というイメージが定着したと言ってもいいほど有名な詩です。
クリスマスを楽しみに子ども達が寝静まった頃、小さな八頭のトナカイとやってくる小人のサンタクロース、八頭のトナカイの名前が「ダッシャー・ダンサー・プランサー・ビクスン・コメット・キューピット・ダンダ-・ブリッツェン」と詩の中で呼ばれているところなど、原作者であるムーアの細やかな心遣いを感じます。そして、サンタクロースに出会うのが子ども達ではなく、大人である「とうさん」であることも、子どもの頃、サンタクロースを信じていた「とうさん」に再び夢を見せてくれるムーアの思いやりでしょうか。愛と喜びと神秘に満ちた詩です。
クリスマスを描くためにターシャ・テューダーが厳選した詩であることを感じます。原詩もすてきですが、中村妙子さんの七五調の日本語訳がとてもリズミカルで愉快に読み進むことができます。
この絵本は1999年にターシャが全面的に絵を描き直した最新版、原詩に忠実に描きながら、ターシャ・テューダーのクリスマスの世界を巧みに描き込んだ神秘的で美しい絵本です。
表紙をめくると、その裏にはターシャが愛するコーギ犬達がハーブやトランペットを弾き、クリスマスを祝っています。雪に包まれた家や木々の風景は、ターシャの住むバーモント州の雪景色を思わせます。ページごとに美しい縁取りをされた絵の中に、ターシャが住む18世紀のニューイングランド様式の住居の隅々が描かれているようです。暖炉やキッチンに置かれた用具、ベッドや家具調度類、全てが繊細に描かれています。
煙突から飛び出したサンタクロースは、コーギ犬を撫で、猫やふくろうと戯れる小柄で陽気なおじいさん、私たち人間だけでなく、ネズミやウサギ、犬や猫、小鳥など小動物にも訪れるクリスマスを迎える喜びが余すところ無く描かれているのではないでしょうか。
クリスマスを迎える喜びを描いた神秘的で美しい絵本としてお勧めの一冊です。
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» 喜んでくれるかな 七五三のお祝い ターシャ・テューダー「クリスマスの まえのばん」 [梟通信~ホンの戯言]
この前、ぼやっとテレビを見ていたら素晴らしい夢の中みたいな庭が出てきて、そこの主人公が90歳?かのターシャおばあさん。あとで調べたらたくさん絵本を作ったり絵を描いたり・・本屋に行ったら「ターシャコーナー」がある。独特の美しさ、小さな・細い一本の線も大事にしているけれど、それは細かいところに”こだわる”と言う気難しさではなくて、全体では何かとても自然なおおらかさを感じさせてくれる。そう、まさに何でも知っているけれど黙って笑っているおばあさんと お... [続きを読む]
受信: 2005/11/14 10:46

コメント
チョムプーさん、ご覧になったのですね。
私もまたビデオに録画して観ました。何度見てもいいですね。かなりの人気のようで、めったにアクセス解析などしないのですが、「ほのぼの文庫」のアクセス数が740を超えていて、びっくりしました。
ほとんど「ターシャ」さん関係のアクセスでした。
ホントにすてきなお庭とお人柄で、また、信念をしっかり貫く生方がすてきです。
わが家のベランダ、狭いのですが、ベランダだけで手一杯、ターシャさんはすばらしい園芸家ですね。何度見ても惚れ惚れします。
投稿 まざあぐうす | 2005/11/27 16:29
昨日夜、NHKで「ターシャ・チューダー」の番組をやっていましたね!
偶然つけたら、もう始まっていましたが、本当に、お庭といい、絵といい、ライフスタイルといい、魅せられてしまいました。
それに、お庭だけでなく、お台所がうつったとき、見事なティーセットやアンティークな台所用品が並んでいるようすにも、うっとり♪
なかなか、少ない鉢植えでも面倒みきれていない私ですが・・・
投稿 管理人チョムプー | 2005/11/27 14:45
チョムプーさん、クレメント・C・ムーアの詩、ホントにいいなあと思います。
パネルシアターで読み聞かせをなさったのですね。福音館から絵本が出ていましたので、チョムプーさんのコメントから記事にアップしました。今、購入可能なクレメント・C・ムーアの詩の絵本がターシャさんの絵本以外に2冊ありました。
ターシャさんの絵本は3回描き直したというだけあって、とっても素敵です。
「プランサー」というトナカイの映画、ぜひ観てみたいです。今年も残り2ヶ月を切りましたね。クリスマスを楽しみに、気分を盛り上げてゆきたいです。
投稿 まざあぐうす | 2005/11/03 18:37
このお話、ターシャ・チューダーさんの絵のものもあったのですね!
バンコク子ども図書館では、クリスマスおはなし会のとき、たぶん福音館版の本をもとに、パネルシアターを作って(私が♪)鈴をふってもらって読み聞かせをしたんですよ。なつかしいーー。
とてもいいですよね。ほんとに、トナカイの名前を全部あげているところが。以前「プランサー」という映画もありました。
女の子のところにけがをしたトナカイが現れたので、世話をしてあげると・・・という映画です。
でも、「赤鼻のトナカイ」のルドルフはいないんですよね。
投稿 チョムプー | 2005/11/03 11:08