2008/03/12

マイナス30度の厳寒の首都ウランバートルのマンホールの中で生き延びている子ども達を知っていますか?~池間哲郎さんの著書のご紹介

 ●マンホールで大人になった -再訪・厳寒のモンゴル-(初回放送:2004年6月)が、NHKの[BShi]にて、3/12(水) 後8:00-9:30、再放送されましたので、過去記事を再更新しました。番組の【語り】は、柳生博氏、【内容】は、市場経済導入後貧富の差が拡大したモンゴルで、親に見捨てられマンホールで暮らしていた子どもたち。彼らはその後どうなったのか。懸命に生きる姿を追うものです。

 以下、「ほのぼの文庫」の過去記事です。

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 世界には、いろいろな国々があります。情報化社会と言われていますが、私たちの知りえない世界の国々の情報がたくさんあることも事実です。
 マンホールチルドレンと呼ばれる子ども達 
 モンゴルの首都ウランバートルは、社会主義の崩壊が原因で経済が壊滅状態。社会保障制度が全くないため、町には失業者が増え、貧しさから子どもを虐待する親、子どもを捨てる親が出てきました。親から見放された子どもたちがホームレスとなって、マンホールで暮らしています。
 ウランバートルは世界でも最も気温が厳しい首都、冬になるとマイナス30度が当たり前、ホームレスとなった子どもたちは、暖房用の温水が通るマンホールの中でしか生き延びる場所がないのです。マンホールの中は、汚水とゴミが散乱、ねずみに噛まれて病気になる子どもたち、性暴力の深刻化により、ねずみに囲まれて出産して亡くなった14歳の少女がいます。体も心も寒い中で、子ども達が必死で生きようとしています。 
 池間哲郎さん達は、ウランバートルの郊外に、マンホールチルドレン保護施設「沖縄の家」を建てました。沖縄の人たちだけの善意、草の根活動の一人ひとりの善意によって出来た施設です。
 

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2008/02/25

河合隼雄著『ケルト巡り』(日本放送出版協会)

 継続的に読んでいるローズマリー・サトクリフの作品を通して、ケルトの文化に興味を抱いています。ユング心理学の第一人者である河合隼雄さんの著作集(全14巻)も再読しながら、ケルトとユング心理学と現代を生きる私たちを結ぶ一冊を見出しました。『ケルト巡り』です。
 サトクリフの作品の理解へと向かう本ではありませんでしたが、ケルトの文化が、これからの日本の癒しへの大きなヒントを与えてくれるのではないかという示唆に心惹かれました。

 心理療法家である著者が、日本とケルトとの欧米文化にはない共通点に着目して、イギリスやアイルランドのケルトを巡り、ケルトの「おはなし」や音楽、ドルイドと呼ばれる自然信仰などを通して体験したことを生身の言葉で語った一冊です。 

 著者は、心理療法家として、親子、夫婦、職場の人間関係、ノイローゼの症状への解決の道を見出しながら、現代という時代をいかに生きるのかという根源的な問いと直面してきました。そして、その解決を求めてケルトの文化へと向かいました。著者の誠実な問いと大胆な着眼点を好ましく思います。

 

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河合隼雄著『大人の友情』(朝日新聞社)

 「ほんとうの友人とは?」という問いに対して、著者は「夜中の十二時に、自動車のトランクに死体をいれて持ってきて、どうしようかと言ったとき、黙って話に乗ってくれる人だ」というユング派の分析家アドルフ・グッゲンビュールの言葉を引用している。
 冒頭から「友情」を語ることが一筋縄でいかないことを暗示しつつ、「友だちが欲しい」・「友情を支えるもの」・「男女間に友情は成立するか」・「友人の出世を喜べるか」・「友人の死」・「「つきあい」は難しい」・「碁がたき・ポンユー」・「裏切」・「友情と同性愛」・「茶呑み友だち」・「友情と贈りもの」・「境界を超える友情」の12のテーマに基づいて展開される本格的な友情論。軽快な語り口にぐいぐい引き込まれ、友情の何たるかの奥深さを知らされる。

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2008/02/07

川平朝清・著『わが家の子育て記 犬はだれだ、ぼくはこみだ』(岩崎書店)

 長男ジョン・カビラはDJ、次男謙慈はコンサルタント、三男英慈は俳優として、日本の芸能界、アメリカのビジネス界でそれぞれに活躍中。『わが家の子育て記録 犬はだれだ、ぼくはごみだ』は、三人の父親である朝清が、4部構成(第1部 沖縄へ 第2部 沖縄での日々 第3部 東京の暮らし 第4部 わが家の子育て)で語る子育て記である。

 沖縄出身、台湾生まれの父親、そして、アメリカ・カンザス州生まれの母親のもとに育った三兄弟の長男は10歳でアメリカに留学し、次男は都立高校からアメリカの大学へ入学し、三男はアメリカにサッカー留学している。三人自らの選択がユニークだ。

 「犬はだれだ、ぼくはごみだ」と副題になっている言葉は、三兄弟の間で週の初めに交わされる当番の役割分担ー犬の散歩、ゴミ捨て、買い物、3人はそれぞれに家族の中で役割を担っていた。
 返還前の沖縄での生活に始まり、東京、アメリカと三兄弟は成長してゆく。DJ、コンサルタント、俳優という個性豊かな三人はいかに育てられたのか。読み進む内に、浮き彫りにされるのは、両親が子育てにおいて大切にしたもの。

 父方、母方のルーツ、キリスト教という信仰、日本人としてのアイデンティティ、ハッギング(抱きしめること)、シンギング(子守唄やわらべ歌、唱歌)、「つかず離れず放任しておく」、「豊かな愛情をそそぐ」、「多くの楽しい思い出は心やさしい子を作る」「子どもは親の所有物ではない」「子どもに期待しているような生き方を、親自身が示す」、「我慢」の効用と「感謝」の気持ち、「夢中」になれるもの、「熱中」できるものに出会うことなど、現在の家庭から失われつつある信条が子育て中のたくさんのエピソードとともに語られている。

 沖縄の歴史や習慣、アメリカ・カンザス州の歴史にも興味をそそられ、「家族は助け合うもの、互助社会のはじまりだと思います。」と語る著者の家族観に深く共感を覚えた。

 子育ての中のエピソードが縦糸、そして、子育てにおいて両親が大切にしたものが横糸となる本書は、言語の違い、文化の違いを超えて、家族の絆を結ぶ一つの物語、親子のあり方、家族のあり方を問い直したい読者にお勧めの一冊である。

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2008/02/06

『西の魔女が死んだ』の映画化情報&植物アルバム

 こちらのサイトを訪れて下さる皆様が、 梨木香歩作品の植物アルバムをご覧になっていただいているようですので、大変うれしく思っています。今年、『西の魔女が死んだ』の映画が放映されるとのこと、どんな映画になるのでしょう。作品の中の植物が、どのように映像化されるのか・・・楽しみです。映画情報は、こちらをご覧ください。

 『西の魔女が死んだ』の植物アルバムは、こちらです。

主人公のまいが「ヒメワスレナグサ」と呼び、水を与えていた雑草の「キュウリ草」。針葉樹林の陽の当たらない洞に神秘的な花を咲かせる「銀龍草」、まいのおじいちゃんが大好きだった花です。おじいちゃんは、「鉱物の精」と呼んでいました。まいが「空中に蓮の花だ」と言う「朴の花」。登場人物と自然の植物との交歓が魅力的な作品です。

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追記:私が(新藤悦子・著/こみねゆら・絵)『空とぶじゅうたん』(日本ヴォーグ社)の復刊を願った理由

中近東のじゅうたんを巡る愛と幻想の物語

 『空とぶじゅうたん』は、トルコやイランに残る言い伝えをもとに、新藤悦子さんのたぐい希な創造力で織り上げられた愛と幻想の物語です。

「糸は翼になって」(ヤージュベディル絨毯ートルコ)
「消えたシャフメーラン」(クルド絨毯)
「沙漠をおよぐ魚」(ムード絨毯ーイラン)
「ざくろの恋」(トルクメン絨毯ーイラン)
「イスリムのながい旅」(イスファハン絨毯ーイラン)

 絨毯にまつわる5つの物語に、こみねゆら氏のすばらしいイラストが添えられています
津田塾大学で中近東ゼミを終えた著者新藤悦子氏は、トルコに渡って現地に留まり絨毯を織り続けました。その日々を初の書き下ろしとして「エツコとハリメ」に綴りました。その後も中近東各地の旅を続け、「チャドルの下から見たホメニイの国」、「羊飼いの口笛が聴こえる」「トルコ風の旅」「イスタンブールの目」など自ら撮った写真を添え水際だったルポやエッセイを書いています。
 

 「空とぶじゅうたん」は、実際にトルコに留まり絨毯を織り上げ、中近東各地を旅した作者だからこそ綴ることのできる渾身の物語です。言葉の一つ一つに作者の息遣いと中近東への愛が感じられる貴重な一冊だと思います。
中近東は今や、紛争の絶えない地域です。過酷な環境の中で絨毯を織り続けている女性たちに思いを馳せました。子供たちにも、大人の私たちにも、文化や芸術は人の痛みを通して、脈々と受け継がれていくものだということをさりげなく教えてくれるすばらしい物語絵本です。
 物語もさることながら丹精をこめて描かれたイラストも十分に大人の鑑賞に値する作品です。児童書に分類するよりも大人向けの物語絵本と言った方がふさわしいかもしれません。手元に置いて繰り返し手にとってながめたくなる絵本です。

 『空とぶじゅうたん』(日本ヴォーグ社)は、2006年10月に復刊ドットコムより復刊されました。

追記:私が『空とぶじゅうたん』の復刊を願った理由

 私が、この絵本に魅せられ、ぜひ、復刊をと願ったのは、絵本の美しさもさることながら、絨毯を紡ぐ中近東の女性たちの精神や魂を感じたからです。
 この絵本の話題からはそれるようですが、梨木香歩さんの『からくりからくさ』という小説に、次のようなくだりがあります。
 「日本の織物である紬も中近東のキリムも、女達のマグマのような思いをとんとんからりとなだめなだめ、静かな日常に紡いでゆく営み」
 登場人物の中の紀久さんというキリムを織っている女性の手紙の一節です。
 
 抑圧された環境の中で、マグマのように渦巻く思いを沈めるように、絨毯を織り続ける女性の精神が、『空とぶじゅうたん』の中に満ちています。絨毯を織る女性以外にも、物語の中には、砂漠を旅する女性も出て来ますが、やはり抑圧された環境の中で、ひたむきに前向きに生きようとする女性の何とも言えない極限の美が語られています。「ざくろの恋」というお話。

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2008/01/30

梨木香歩著『家守綺譚』の植物アルバム

 梨木香歩さんの作品を繰り返し読んでいます。梨木さんの作品の魅力は・・・?と少しずつ分析していますが、その一つに植物が作品の世界を豊かにしていることではないかと思います。

 『家守綺譚』を読み、アルバムを作ってみました。こちらです。アルバムの写真は、以下の皆様のご了承を得まして、HPより転載させていただきました。快く写真の使用をご承諾下さいましたこと、心よりお礼申し上げます。

「Botanical Garden」(群馬県前橋市:青木繁伸様)・「Crystal Bear」(富山県魚津市:小熊清史様)・「日本の四季」(鹿児島県:布袋竹様)・「岡村葡萄園」(新潟市潟浦新19:ナオミチ様

植物の写真を見ながら、再読すると『家守綺譚』の世界をより深く味わうことができます。

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(梨木香歩著)『からくりからくさ』(新潮社)

 改めて、梨木香歩作品『からくりからくさ』の書評と植物アルバムをアップさせていただきます。『からくりからくさ』の植物アルバムは、こちらです。

旅を続ける生命とその生命を支える絆を深く心に伝える物語 

 祖母の古い家に共同生活を始めた孫娘の蓉子、下宿人の紀久、与希子、マーガレットの四人と市松人形の「りかさん」。かつて蓉子の祖母は、体は命の「お旅所」だと言った。命は旅をしている。私たちの体は、たまたま命が宿をとった「お旅所」だ。それと同じようにりかさんの命は、人形のりかさんに宿ったのだと言う。

 祖母の家は祖母が亡くなった今も祖母の「育もう」とする前向きなエネルギーを留めている。祖母の気配に満ちた家で、心を持つ不思議な市松人形の「りかさん」を通してからまる四人の縁。 蓉子は糸を染めながら、祖母の死と祖母の死後変わってしまったりかさんと向き合いながら生きている。紀久は紬を織り、紬の織り子さん達への実地調査を元に、織りの歴史を裏で営々と支え続けてきた名も無い女性たちのことをそれぞれの織物を通して紹介するための原稿に身を費やして生きている。そして、恋人神崎との辛い別れにも耐えている。 与希子はキリムを織り、紀久と蓉子との三人展のための作品創りに余念がない。マーガレットは、アメリカで異民族として生きた辛い過去と闘いながら、鍼灸を学んでいる。そして、神崎との間に出来た新たな命を育んでいる。

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2008/01/18

(佐藤初女著)『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』(集英社文庫)

 著者である佐藤初女さんは30年も前から自宅を開放し、心を病んだ人、苦しみを抱えた人たちを受け入れて来ました。その季節に採れる新鮮な素材の手料理とおむすび、そして、黙って傍らに座る著者によって多くの人が癒され、励まされました。
 そんな著者を慕う人たちの奉仕や寄付によって、霊峰岩木山の麓に「森のイスキア」という憩いと安らぎの場が開設されました。

 第一章 冬 いのちへの気づき
 第二章 春 人生の種蒔き
 第三章 夏 心で生きる
 第四章 秋 希望の鐘

 著者の生い立ちから「森のイスキア」開設に至るまでの日々や「森のイスキア」の四季を巡る「食」「信仰」「出会い」が美しい写真とともに紹介されています。各章に<佐藤初女さんへの手紙>が一通ずつ引用されています。

「耐えがたきを耐え
 忍びがたきを忍び
 許しがたきを許し
 あたたかい太陽を思わせるやさしい言葉
 冬のきびしい寒さにも値する愛情ある助言
 慈しみの雨のように涙を流しては共感する
 なごやかな風を思わせる雰囲気
 それが母の心
 佐藤 初女」

 巻頭の言葉に著者の生き方が集約されていますが、一冊を読み終えた時、一人一人のいのちを、また、どの食材のいのちをも限りなく慈しむ著者の姿が浮き彫りにされ、著者の命への慈しみにあたたかく包まれ、命への気づきを促されます。
 食という日常の営みを通して人生を深く見つめなおすことができる一冊です。

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2006/09/21

<普及版>『クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々』(のら書店)

 『クシュラの奇跡-140冊の絵本との日々』は、染色体の異常により複雑で重い障害を抱えたニュージーランドの女の子クシュラが生まれてから3歳9ヶ月になるまでの成長の記録とその間にクシュラが出会った140冊の絵本の物語です。腎臓や心臓、視力、身体的な発育の遅れと、生後間もなく次々と異常が発見され、絶望的な日々を送っていたクシュラとクシュラの両親に一条の光を与えたのが絵本の読み聞かせでした。昼夜分かたず眠れないクシュラを膝に抱きながら、母親が始めた絵本の読み聞かせに、クシュラは強い関心を示し、その後、医学的な診断を超えた成長を遂げることになります。

 この本の著者のドロシー・バトラーは、孫娘クシュラを通して多くのことを学び、その学んだことの意味を裏付ける勉強をするために、オークランド大学の教育心理学科に再入学し、「クシュラ、ある障害児のケース・スタディー生後三年間の日々を豊かにしたもの」と題する研究論文を書きました。書店を経営して一家の生活を支え、クシュラと本の交流を絶やさないように努めていた日々のことです。その論文が書籍化されました。

クシュラの奇跡
ドロシー・バトラー著 / 百々佑利子訳
のら書店 (1985)
通常2-3日以内に発送します。

 日本で翻訳出版されたのは1984年。当時、名作絵本の手引書として、また、子どもの成長における読み聞かせの意義を伝える本として高い評価を得ました。私が同著と出会ったのは、生後10ヶ月の長女が点頭てんかんと診断された1986年のことでした。悲嘆にくれる日々に、同著と出会い、深い感銘を受けました。そして、何よりも、巻末のクシュラの言葉がじんと胸に沁みました。
 3歳8ヶ月になったクシュラが人形を抱きしめながら「さあこれで、ルービー・ルーにほんをよんであげれるわ。だって、このこ、つかれていて、かなしいんだから、だっこして、ミルクをのませて、ほんをよんでやらなくてはね。」と言います。クシュラの言葉に、「そうだ。私も疲れていて、悲しいんだから、絵本を読もう。」と思いました。

 

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2006/05/23

本間昇監修『昔の子どものくらし事典』(岩崎出版)

 子ども時代の記憶を辿ると何が見えますか。そして、どんな音や声が聞こえますか。
 私が子ども時代を過ごした昭和30~40年代は、はらっぱや空き地、路地裏で年齢の異なるたくさんの子ども達が遊んでいました。今のようにテレビゲームなど無い時代でしたので、天気の良い日は夕暮れ時まで外で元気に遊んだものです。ゴムとび、まりつき、大なわとび、木登り、缶けり、ちゃんばらごっこをする男の子たち、べーゴマで遊ぶ男の子たち・・・たくさんの子ども達の姿とその元気な声、なわとび歌や手まり唄が聞こえてきます。
 しかし、幼い頃の記憶は夏の空をゆくちぎれ雲や夕陽にきらめく波のように断片的でとらえがたいものでもあります。「お母さんの子どもの頃はね・・・」「先生の子どもの頃はね・・・」と子どもたちに語りたくなった時、お勧めの一冊が『昔の子どものくらし事典』、昭和30~40年代を中心とした子どもたちの家庭や学校での生活、遊び、年中行事が写真入り、イラスト入りで分かりやすく紹介されている大型本です。

昔の子どものくらし事典
本間 昇監修
岩崎書店 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。

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2006/02/09

(ルーマ・ゴッテン著/山崎時彦・中川昭栄訳)『アンデルセン 夢をさがしあてた詩人』(あすなろ書房)

 子どもの頃くり返し読んだアンデルセンの童話を大人になって読み直してみると、子どもの頃の新鮮な感動が甦ると同時に、子どもの頃には感じることができなかった人生の知恵や弱者への愛、詩やユーモアを行間に読み取ることができて、深い味わいがあります。
 最近『完訳 アンデルセン童話集』(岩波文庫)の全7巻を読みました。“完成された形式”、それぞれの物語に流れる詩情、文体のもつはつらつさ・・・アンデルセンの童話には他の作家には見られない特徴があります。童話作家として不動の世界的名声を得たアンデルセンですが、その生涯は決して恵まれたものではありませんでした。
 

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2006/01/14

(龍村仁著)『地球(ガイア)をつつむ風のように』(サンマーク出版)

 『地球交響曲』の上映会のポスターを目にするようになって10数年が過ぎ、ようやく昨年末に第四番を観ることができた。まさに、これぞ私が体の、また、心の奥底から求めていたメッセージではないかと思える出会いだった。
 もっと地球交響曲について知りたいとの思いから、監督の著書を読むことにした。最初に読んだのが本書である。「交響曲を奏でる魂の友へ」、「子供たちに伝えたいこと」、「風の原点を見つめて」の三章よりなるエッセイ集。『地球交響曲 第四番』の完成を前に刊行されている。 

地球交響曲公式HPは、こちら

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2005/12/14

クリスマスの本 NO.6 (ポール・ギャリコ・文/矢川澄子・訳)『「きよしこの夜」が生まれた日』(大和書房)

 クリスマス・イブになると世界中で歌われる賛美歌の定番「きよしこの夜」がどんな経緯で作られ、世界中に知られるようになったのかご存知ですか? 

 「きよしこの夜」の誕生秘話を物語風につづったドキュメンタリーがあります。作者は、『雪のひとひら』や『さすらいのジェニー』で有名な作家ポール・ギャリコ。

 1818年12月23日の真夜中、オーストリアのオーベルンドルフの町の聖ニコラ教会のオルガンが一匹の鼠によって齧られました。
 翌朝、教会にやってきてオルガンの練習を始めたフランツ・グルーバーは、オルガンの音が鳴らないことに気がつきました。
 グルーバーは、学校教師で教会守、そして、オルガン奏者でした。 ミサは迫っています。修理は到底間に合いません。そこで、急遽、新たな試みとして、ギターで歌える歌を作ることにしました。作詞者は、聖ニコラ教会の若き聖職者のヨゼフ・モール、音楽家でもあり、ニコラ教会の終身司祭であるヨゼフ・ノストラーの助任司祭を務めていました。

 グルーバー先生とモールは、親友同士です。モール司祭は、見たところいささか無責任な若者、いつも冗談か鼻歌ばかり口にのぼせていて、真面目な思想など無縁な存在に思えましたが、手渡された詩は、不思議な力を持って訴えかけてくるものがありました。
 「このふしぎに訴えかけるような力強さはどこからもたらされるのか」グルーバー先生は、モール助任司祭から手渡された詩の不思議な力(一種催眠術的な効果)に導かれるかのように曲を作りました。そして、聖歌隊によって歌われることになりました。

 クリスマスの夜、教会に集った村の人たちは、 生まれてはじめて、オルガンなしの礼拝を経験しました。 村の人たちに賛否両論あったものの、ギターとともに聖歌隊が歌うこの賛美歌のシンプルな歌詞とメロディーの美しさは深い感動を呼びました。

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2005/12/03

「第6回 子どもの本 この一年を振り返って2005年」NO.1 

 平成17年12月1日(木)NPO図書館の学校主催の「第6回 子どもの本 この一年を振り返って2005年」in 図書館総合展に参加しました。
queens_square_christmastree  場所は、パシフィコ横浜展示ホール2階アネックスホールです。みなとみらい線が開通して、初めてみなとみらい駅で降りました。海が近いからでしょうか。空気が澄んで、とても気持ちが良かったです。隣のクィーンズスクエアにクリスマスツリーが飾られていました。

 

 第一部 基調講演「YA世代を知るー10代の性と心ー」

 講師は、産婦人科医の河野美香レディースクリニック院長。
 医療現場からの実感の伴った現状報告と問題提起~大人が教えたい性教育の内容と10代の子ども達の知りたい性知識には大きな隔たりがあることや子ども達の性のトラブルの背景には、刺激の多い性の情報や援助交際など子ども達を性のトラブルに巻き込む大人達の存在があること~に、思春期の息子を抱えている母親として、問題意識を持ち続けたいと思いました。

 著書『学校で教えない性教育の本』、『十七歳の性』を購入。早速読みました。10代の子ども達からの実際の質問に答える形で構成された『学校で教えない性教育の本』はとても分かりやすく、読み応えがあります。息子にも読んでほしいなぁと思っています。

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2005/10/18

『にほんご』(福音館書店)

「ことばには いつも きもちが かくれている。」
ことばって何?と問われた時、どう答えるだろうか。
今の自分にぴったりの答えが、見つかった。
『にほんご』という本の中の一節だ。

「けれど きもちが あんまり はげしくなると
ひとは それを ことばに できなくなることもある。
わらったり ないたり、
ひとりぼっちで だまりこんだり、
ぼうりょくを ふるったり・・・・
そんなとき、ことばは こころのおくふかく かくれてい る。」と続く。

 ことばの中に気持ち(心)が隠れていて、心の奥深くにことばが隠れているという哲学的な言葉観にはっとさせられた。

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2005/09/01

『笑いの力』(岩波書店)

 北海道の小樽にて、2004年11月14日に開催された「絵本・児童文学研究センター」主催の第九回文化セミナー「笑い」の記録集。

 臨床心理学者である河合隼雄氏の「児童文化のなかの笑い」、東京大学名誉教授(解剖学専門)の養老孟司氏の「脳と笑い」、作家である筒井康孝氏の「文学と笑い」の3つの講演録とシンポジウム「笑いの力」(河合・養老・筒井三氏と女優で落語家の三林京子氏・コーディネーター・工藤左千夫氏)の記録が収録されている。

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2005/08/11

(中脇初枝)『あかい花』(青山出版)

あかい花
あかい花
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8.11
中脇 初枝著
青山出版社 (2001.11)
通常1??3週間以内に発送します。

 初潮を巡る8つの短編集。
 ・少しおませな親友アヤと自分を隔てるものは月経があるかないかだと思っていた「あたし」。「あたし」は月経の血をおなかをこわしたときの便のようだったと感じた。
 ・人生で思い通りにならないものが「名前」と「月経」だという美枝。思い通りにならない月経を歯を食いしばって耐えながら、いつか妊娠して、流れ出そうとした経血に、不意打ちを食らわしてやろうと思っている。
 ・両親への初めての秘密が「初潮」である「あたし」。「あたし」は、もっとなんか、(月経より)かっこいいこと隠せたらいいと思っている。
 ・母親がきらいな綾乃。綾乃は、母親をきらうということはただただ自分を消耗させる行為だと分かっていながら、月経が来るたびに母親の言動が甦る。
 ・アレのとき、自分がすごく女だと感じる「あたし」。
 ・ゴミに埋もれて暮らしながら、月経がきちんと訪れる「あたし」。
 ・月経そのものに自慰に通じるところがあると感じる「わたし」。「わたし」は、体の奥からとろりと流れ出す感じが、月経の血が流れ出す感じによく似ていると思う。
 ・7歳の時に初潮が訪れ、祖母から月経は女の体に何度も咲く花だと教えられた「わたし」。祖母は、大人になって、実がなるようにこどもを生むと言ったが、40歳になった「わたし」は、まだこどもを生んでいない。

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2005/08/07

(中脇初枝・文/卯月みゆき・絵)『祈祷師の娘』(福音館書店)

祈祷師の娘
祈祷師の娘
posted with 簡単リンクくん at 2005. 8. 7
中脇 初枝作 / 卯月 みゆき画
福音館書店 (2004.9)
通常24時間以内に発送します。

 くろにゃんこさんのくろにゃんこの読書日記で紹介されていた本です。興味があったので、図書館で借りてきて、眠る前にちらっと開いて読み始めたら、最後までいっきに読み進んでしまいました。主人公のはるちゃんを肯定的に語る描き方がとても素敵です。

 主人公は、中学一年生のはる(春永)ちゃん。はるちゃんのお母さんである春子さんは8年前にいなくなってしまった。記憶の中のお母さんには顔がない。

 はるちゃんは、祈祷師のおとうさんとおかあさんと和花ちゃんの四人で暮らしている。家族関係がやや複雑だ。
 ・おとうさんとおかあさんは、実の兄妹。本当の夫婦ではない。
 ・四歳年上の和花ちゃんは、おかあさんの実の娘だが、おとうさんとは血の繋がりがない。
 ・はるちゃんは、お母さんである春子さんの連れ子だから、おとうさんともおかあさんとも和花ちゃんとも、つまり、家族の誰とも血の繋がりがない。

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2005/07/28

『アンネ・フランクのバラ アンネの意志を受け継いだ人びと』(アンネのバラの教会 高橋数樹・編)(出版文化社)

アンネ・フランクのバラ
高橋 数樹編
出版文化社 (2002.5)
通常1??3週間以内に発送します。

 

 アンネ・フランクにまつわるバラの花をご存知ですか?「Rose Garden」のラ・ロズレさんのご紹介で、『アンネ・フランクのバラ』を読みました。
 「アンネのバラ」は、蕾の時は赤色、開花するとオレンジ色に黄色がかった黄金色になり、時間の経過とともに花弁の先からサーモンピンクに変色し、さらに濃い赤色になるという美しいバラの花です。(「アンネのバラ」の写真は、Rose Gardenのこちらにアップされています。)
 『アンネの日記』に感銘を受けたベルギーの園芸家デルフォルヘ氏によって1955年に作出されSouvenir d’Anne Frank(アンネ・フランクの形見)と名づけられました。1960年に世に発表され、1962年にアンネの父親であるオットー・フランク氏に贈られたバラの花です。
 そのバラが、同著の執筆者である大槻武二・道子牧師が関わるしののめ合唱団とオットー氏との出会いを通して、1972年のクリスマスにオットー氏から日本に贈られました。

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2005/07/19

(オリヴァー・サックス・著/吉田利子・訳)『火星の人類学者』(早川書房)

 

火星の人類学者
吉田 利子 / Sacks Oliver
早川書房 (1997.3)
通常2??3日以内に発送します。

 くろにゃんこさんの「くろにゃんこの読書日記」に紹介されていて、気になった本の一冊、ようやく読み終えました。脳神経の障害に関する良書だと思います。たくさんの方に読んでいただきたい一冊です。特に自閉症の患者さんに関しては、知らない方への理解を促すと思います。

 私の娘は点頭てんかんという重い病を抱えて生まれてきました。知的な障害を抱えながら、今年で20歳になります。オリヴァー・サックス博士の医学的エッセイ集『火星の人類学者』の「はじめに」で、博士が「欠陥や障害、疾病は潜在的な力を引き出して発展、進化させ、それがなければ見られなかった、それどころか想像もできなかった新たな生命の形を生み出すという逆説的な役割を果たすことができるのである。」と述べている言葉に、母親として大きく励まされました。

・事故ですべてが白黒に見える全色盲に陥った画家
・脳腫瘍により、新たな記憶が刻めなくなってしまった青年
・激しいチックを起こすトゥレット症候群の外科医
・白内障の手術により視力を回復し「見ること」を学習する元盲人
・故郷の風景の詳細な記憶から絵を描き続けている画家
・自閉症の天才的な少年画家
・「わたしは火星の人類学者のようだ」と自ら述べる自閉症の動物学者

 脳神経に障害をもつ七人の患者の病状を臨床的かつ客観的に語りながら、同著のテーマである疾病のパラドックス、つまり疾病の「創造的な」力を、浮き彫りにしてゆきます。

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2005/05/27

(イ・ギュギョン著/黒田福美・訳)『おなかがすいたらごはんたべるんだ 韓国の賢者による「短いお話、長い考え」』(ポプラ社)

国籍や思想、宗教を超えて、普遍的な真理を分かりやすい言葉で語った言葉集、混沌とした時代を生き抜く私たちに人生のユーモアと哲学を与えてくれる一冊 >bk1

 韓国で大ベストセラーとなった『短い話 長い考え』、『短い童話 大きな幸せ』の作者イ・ギュギョンの人生哲学に満ちた言葉集です。翻訳は、女優の黒田福美さん。

 Ⅰ一杯のお茶をのむあいまに 
 Ⅱこころの鍵 
 Ⅲ微笑ましき人生 
 Ⅳそう、そうだね 

onakagasuitaragohantaberunda Ⅰ~Ⅳの4部構成、150のテーマからなる言葉集、短く分かりやすい言葉に素朴な絵が添えられています。

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2005/05/22

(チョチャンイン・著/金子至子・訳)『スンウ12歳の明日』(いのちのことば社フォレストブックス)

 『スンウ12歳の明日』を読み終えた時に、コリントの信徒への手紙13章13節の聖句を思いました。「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。」 >bk1

sunujyuunisainoasu  母親に逃げられ、父親とは死に別れた12歳の少年スンウは、貧困と孤独と足の障害という三重苦を乗り越えながら、余命3ヶ月と告げられた8歳の妹と二人で暮らしています。

 両親がいない家に転がり込んできたやくざな男ナルチのことを信じて、妹のために自分達を捨てた母親を探す旅に出たスンウ。組織に追われているナルチに明日は無い。三重苦を負う少年スンウの明日を思い描くことも困難だ。ナルチはスンウ達兄妹を利用して逃亡する。スンウは、ナルチに騙され殴られながらも、人を信じ、愛し、祈り続ける。
 二人の旅の途上で明かされるナルチの母とスンウの育ての母の思い。あらゆる困難にも負けない少年スンウの姿にやくざな男ナルチが少しずつ変ってゆく。果たして、スンウは、母親に会えるのでしょうか。

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2005/05/20

杉原泰雄著『憲法読本 第3版』(岩波ジュニア新書)

 毎年5月には憲法に関する本を一冊読むように心がけています。今年選んだ本は、SDTMさんのお勧めにより『憲法読本 第3版』(岩波ジュニア新書)です。

新時代の日本へ向けて、今ある憲法を知るためにお勧めの一冊

 本書は、1981年9月に初版が出されて以来、憲法の入門書として、中高生や多くの大人の間で読み継がれて来た『憲法読本』の第三版です。

 本書では、世界史における立憲政治の歩みに始まり、日本における立憲政治の始まり明治憲法のしくみや運用日本国憲法の制定、しくみや運用が筋道を立てて、分かりやすく語られています。
 本書の特徴として、単なる憲法のしくみや運用の説明にとどまらず、国民生活における意義が随所に語られていますので、身近な視点から憲法を感じることができます。

憲法読本
憲法読本
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5. 4
杉原 泰雄著
岩波書店 (2004.5)
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2005/05/17

(よしもとばなな・文/名嘉睦稔・版画)『海のふた』(株式会社ロッキング・オン)

uminofuta よしもとばななさんの『High and dry(はつ恋)』を読んで、少しがっかりしたばかりですが、『海のふた』を読んで、ほっとしました。よしもとばななさん健在です

 しんみりとした雰囲気の中に、生きてゆく勇気と自然へ