欧州絵本史と日本の児童文学史を学んで
『ほるぷクラシック絵本』を再び借りてきて読んでいました。
ユーゲント様式を代表する絵本作家クライドルフの『花のメルヘン』と『フィッツェブッツェ』の絵が素敵です。花や草や虫や動物たちが生きる自然の世界をとらわれない目で見て、その中に入っていこう。そんな自然への新しい見方から生まれて様式です。
いずれも1900年ごろに創られた絵本ですが、芸術的完成度の高い美しい絵本です。『フィッツェブッツェ』は、ドイツ絵本を代表する世界的ベストセラー『もじゃもじゃペーター』の教育的意図に対抗して、芸術的効果により、子ども達をただ楽しませることだけを目的にして創作された絵本です。前者が「芸術的な絵本」として、後者は「子どもの立場からの文学」として、子どもの本の歴史に転換期をもたらした先駆的作品です。
『ほるぷクラシック絵本』復刊特集ページはClick!
ほるぷ出版 (1985.9)
通常1-3週間以内に発送します。
通信講座で、1658年に出版されたヨハン・A・コメニウスの『世界図絵』に始まる欧州の絵本史を学び、ほるぷクラシック絵本を読み、絵本の芸術性の高さを感じています。その絵本芸術の背景には、古代ギリシア以来の児童観により、子どもの感性、感覚を大切に育てるという思想があることを知り、日本の児童文学史との大きな違いを感じています。
社会思想を通して、子どもの世界が大人の世界とリンクしていること、絵本が、その時代の画家、作家、編集者、出版人、彫り師、印刷技術者の総力をあげて芸術作品として生み出されていることにうらやましさを感じてしまいます。
『クシュラの奇跡』という本に出会い、20歳になる知的な障害を抱えた娘を育ててきましたので、絵本が子どもの成長にいかに大切な存在であるかを日常生活レベルでも実感しています。日本でも絵本が芸術作品として高められてゆくこと、児童観、教育観の見直しがされることを心から望んでやみません。
『クシュラの奇跡』は、こひつじ文庫のマーガレットさんもご推薦なさっています。Click!
のら書店 (1985)
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のら書店 (2006.3)
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