2005/04/20

マドンナによる、子供たちのための、5冊の絵本『ヤコブと七人の悪党』(集英社)

 歌手、女優、そして作家として活躍中のマドンナによる絵本が40カ国語に翻訳100カ国以上の国々で発売され世界的なベストセラーとなっています。日本では、『イングリッシュローズィズ』(江國香織訳)、『ピーボディ先生のりんご』(村山由佳訳)、『ヤコブと七人の悪党』(角田光代訳)に続いて、4冊目の絵本『アブディーの冒険物語』が小澤征良さんの翻訳で集英社から発売されました。

 1冊目から4冊目まで全ての絵本に宗教的な、また、道徳的な教訓が込められています。絵本から教訓のようなものが消えて久しいので、返って新鮮に感じられました。

 どれも挿絵がとても魅力的です。特に、『ヤコブと七人の悪党』、『アブディーの冒険物語』の絵本は、すばらしいと思います。

 マドンナの絵本に関する情報は、こちら

 何かと話題性の高いマドンナですが、新たな話題性に注目したいと思います。この本によるマドンナの収益のすべては、「The Spiritual for Kids Foundation」という教育機関に寄付されるそうです。

(マドンナ・リッチーMadonna Ritchie:歌手、女優、作家、世界で2億枚以上のアルバムを売り、18本の映画に出演、現在夫で映画監督のガイ・リッチーと、ローラとロッコという二人の子供と一緒にロンドンとLos Angelesの家で暮らしています。)

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マドンナによる、子供たちのための、5冊の絵本『アブディーの冒険』

 

(マドンナ)『アブディーの冒険』(集英社)  bk1は、こちら

不安と虚無に満ちた世の中を生きる子ども達に信じる力を伝える絵本                   

abudinomonobouken 遠い昔の、私たちが知っている一番遠い国のさらに遠くの見わたすかぎり砂漠と山々が続く国に住んでいたアブディー少年の物語です。両親を亡くしたアブディー少年は、優れた宝石職人のイライおじいさんと二人で暮らしていました。
アブディーは、イライおじいさんのお店のお客さんにミントティを出したり、お店の掃除をしたり…仕事をするかたわら、おじいさんからレンズ豆で美味しいスープを作る方法やどうしたらいつでも幸福な気持ちでいられるかなど、たくさんの大切なことを教わっていました。
ある日、「非常にすぐれた特別な宝石職人」と噂されるおじいさんのお店に、ハビブという男が王様のご希望を伝える任務でやって来ました。王妃の誕生日に贈るための首飾りの注文です。
ハビブが広げた巻物には、まばゆいほどの宝石でできた、みごとな首飾りの図柄が描かれています。「太陽のように輝き、へびのように動かなくてはならない」首飾りです。
「4週間後」と言い渡されて、くる日もくる日も昼も夜も働き続け、ようやくできあがった注文のすばらしい首飾りをアブディーが王妃のもとへ届けることになりました。
ところが、旅の途中で知り合った二人組に、大事な首飾りを盗まれてしまうことに…。
試練に出会ったアブディーは、「きっと、良いことなのだから起こっているんだ。それを信じなきゃ!」というイライおじいさんの言葉を信じ続けました。困難に出遭った時、いかに未来を切り開くか。未来への処方箋とも思えるイライおじいさんの言葉が子ども達にも分かりやすい言葉で語られています。
マドンナによる、子供たちへの絵本の4冊目。ロシア人の画家オルガ・ドゥギナとアンドレイ・ドゥギン夫妻のすばらしい絵が添えられています。不安と虚無に満ちた世の中を生きる子ども達に「信じる力」を伝える絵本としてお勧めの一冊です。

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2005/04/16

マドンナによる、子供たちのための、5冊の絵本『ピーボディ先生のりんご』『イングリッシュ ローズィズ』

(マドンナ作・村山由佳訳)『ピーボディ先生のりんご』(集英社)

言葉に宿る大きな力について考えさせられる絵本 bk1は、こちら

pibodeisenseinoringo アメリカの小さな町ハップヴィルの小学校で歴史を教えているピーボディ先生。先生は、町のリトルリーグのコーチも務めています。夏の間は野球の試合ができるように、ありったけの土曜日を捧げて尽くすほど熱心な先生。リトルリーグの子ども達は、試合に勝てなくても、ゲームを楽しんでいます。ピーボディ先生が、子ども達をいつもほめてくれるからです。先生は町の子ども達の人気者。

 ところが、そんな先生におかしな噂が立ち始めました。ピーボディ先生が大通りのファンカデリさんのお店のリンゴを盗んだという噂です。小さな町ですから噂はすぐに広まります。土曜日になっても野球場に子ども達がひとりも集まって来ません。そこに、野球がなによりも好きで、だれよりも先生を尊敬するビリーがやってきて、先生に噂のことを伝えます。そこで、先生がビリーと噂を流した張本人のトミーに語ったことは・・・。

 300年ほど前に生まれた話がマドンナによって、1970年代のアメリカの小さな町を舞台に生まれ変わりました。言葉に宿る大きな力と他人を傷つけることのないように言葉を選ぶにはどうしたらよいかが主題となっています。

 ピーボディ先生が、羽枕を使って、子ども達の心に思いを伝えるシーンが圧巻です。村山由佳さんの翻訳による美しい日本語と、ローレン・ロングによる芸術性の高い挿絵の完成度の高い絵本。早い年代から携帯やパソコンを使って言葉を操る子ども達に、そして、子ども達の教育に携わる先生方、ご両親に、ぜひ読んで欲しい一冊です。

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