2008/02/09

『蟹塚縁起』(梨木香歩・文/木内達朗・絵)(理論社)

(梨木香歩・文・木内達朗・絵)『蟹塚縁起』(理論社)
梨木香歩さんの語りと木内達郎さんの絵の絶妙なコンビネーションによる蟹塚の由来ー二世代にわたる恨みが昇華されてゆく哀しく美しい物語です。

 むかしむかし、薮内七右衛門という武将がいました。何千人もの兵を率いて戦っていた七右衛門は、家来たちをそれはそれは大事に思っていました。 七右衛門は、大事な家臣が人質にとられたと知った時、敵の罠とは知りながら、駆けつけたのです。
 他の家来たちも次々に打たれ、兵たちの屍が累々としている中、続けざまに敵の矢を受け、愛馬松波丸もろとも、同田貫正国という九尺五寸の刀を握り締めたまま、どうっとばかりに地面に崩れ落ちました。七右衛門は、「ああこの土と、もっと親しんで、生きたかった…」との思いを遺しながら、息絶えてゆきました。無念の戦死でした。

 七右衛門の思いは、同じ土地にとうきちという農民の子として生まれ変わりました。前世を語る旅人・六部…とうきちに前世の記憶が鮮明に甦る出来事が起こります。
 

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梨木香歩さんの絵本『ペンキや』・『マジョモリ』・『ワニ ジャングルの憂鬱 草原の無関心』(理論社)

(梨木香歩・文/出久根育・絵)『ペンキや』(理論社)
二世代にわたってペンキ屋という一生の仕事をやりとげた父親と息子、そして、その仕事を見守った母親とその妻を巡るファンタジー 人間の愛と天職をテーマとした味わい深い絵本です
『ペンキや』は、こちら・bk1へ。

 しんやは、母親からペンキ屋であった父を「発見」した時の話を聞くのが好きでした。そして、幼い頃からペンキが大好きでした。
 成長したしんやは父親と同じペンキ屋を目指して修業中。仕事となると見た目よりもずっとむずかしいものです。才能がないのではないかと悩むしんやは、母親から聞かされた父の墓を訪ねてフランスへと旅立ちます。お墓には「ふせいしゅつのペンキや ここにねむる」と書いてあることを聞かされていました。

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2008/02/06

『西の魔女が死んだ』の映画化情報&植物アルバム

 こちらのサイトを訪れて下さる皆様が、 梨木香歩作品の植物アルバムをご覧になっていただいているようですので、大変うれしく思っています。今年、『西の魔女が死んだ』の映画が放映されるとのこと、どんな映画になるのでしょう。作品の中の植物が、どのように映像化されるのか・・・楽しみです。映画情報は、こちらをご覧ください。

 『西の魔女が死んだ』の植物アルバムは、こちらです。

主人公のまいが「ヒメワスレナグサ」と呼び、水を与えていた雑草の「キュウリ草」。針葉樹林の陽の当たらない洞に神秘的な花を咲かせる「銀龍草」、まいのおじいちゃんが大好きだった花です。おじいちゃんは、「鉱物の精」と呼んでいました。まいが「空中に蓮の花だ」と言う「朴の花」。登場人物と自然の植物との交歓が魅力的な作品です。

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2008/01/30

梨木香歩著『家守綺譚』の植物アルバム

 梨木香歩さんの作品を繰り返し読んでいます。梨木さんの作品の魅力は・・・?と少しずつ分析していますが、その一つに植物が作品の世界を豊かにしていることではないかと思います。

 『家守綺譚』を読み、アルバムを作ってみました。こちらです。アルバムの写真は、以下の皆様のご了承を得まして、HPより転載させていただきました。快く写真の使用をご承諾下さいましたこと、心よりお礼申し上げます。

「Botanical Garden」(群馬県前橋市:青木繁伸様)・「Crystal Bear」(富山県魚津市:小熊清史様)・「日本の四季」(鹿児島県:布袋竹様)・「岡村葡萄園」(新潟市潟浦新19:ナオミチ様

植物の写真を見ながら、再読すると『家守綺譚』の世界をより深く味わうことができます。

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(梨木香歩著)『からくりからくさ』(新潮社)

 改めて、梨木香歩作品『からくりからくさ』の書評と植物アルバムをアップさせていただきます。『からくりからくさ』の植物アルバムは、こちらです。

旅を続ける生命とその生命を支える絆を深く心に伝える物語 

 祖母の古い家に共同生活を始めた孫娘の蓉子、下宿人の紀久、与希子、マーガレットの四人と市松人形の「りかさん」。かつて蓉子の祖母は、体は命の「お旅所」だと言った。命は旅をしている。私たちの体は、たまたま命が宿をとった「お旅所」だ。それと同じようにりかさんの命は、人形のりかさんに宿ったのだと言う。

 祖母の家は祖母が亡くなった今も祖母の「育もう」とする前向きなエネルギーを留めている。祖母の気配に満ちた家で、心を持つ不思議な市松人形の「りかさん」を通してからまる四人の縁。 蓉子は糸を染めながら、祖母の死と祖母の死後変わってしまったりかさんと向き合いながら生きている。紀久は紬を織り、紬の織り子さん達への実地調査を元に、織りの歴史を裏で営々と支え続けてきた名も無い女性たちのことをそれぞれの織物を通して紹介するための原稿に身を費やして生きている。そして、恋人神崎との辛い別れにも耐えている。 与希子はキリムを織り、紀久と蓉子との三人展のための作品創りに余念がない。マーガレットは、アメリカで異民族として生きた辛い過去と闘いながら、鍼灸を学んでいる。そして、神崎との間に出来た新たな命を育んでいる。

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