2008/02/13

台湾の作家ジミーさんの作品

 気持ちが沈んだ時、台湾在住の作家ジミーさんの絵本を読むと、静かに癒されます。そして、ぽっと心が明るくなります。

 ジミーさんは、99年に発表した『君のいる場所』(小学館)が大ベストセラーとなり、人気はアジアにとどまらず、欧米へと広まっています。そして、ワーナー・ブラザーズにより金城武主演で映画化されました。その後、次々と心に沁みる作品を描き続けています。

 1988年より、白血病がきっかけとなって絵本の創作活動に入ったジミーさん。絵の美しさもさることながら、絵に添えられた言葉が人生に対する深い洞察に満ちています。

『幸せの翼』(小学館)
幸せって「何もかも奪われてもわたしらしく生きること」でしょうか

才能、社長という名誉と地位、お金
美しい妻、かわいい子ども達
「約束された幸せ」とでも言うのでしょうか
彼は「誰もが夢みる世界」の全てを持っていました
 
その彼の背中に突然生えてきた翼
彼の意のままにならない翼
会社を失い、妻子を失い、両親を失い
彼から何もかも奪った翼
彼を死ぬほど辛い目に遭わせた翼
彼を雷鳴がとどろく黒い雲の中に連れ去った翼
その翼を「幸せの翼」と呼んでいいのでしょうか

「誰もが夢みる世界」から空に飛び立ち
鳥の世界の住人となった彼
人々の記憶から消えてしまった彼
遠く深い山の中で迷った子どもを助けたとも
遠い地の果て、吹雪の中で遭難しかけた探検家を助けたとも

幸せって何だろう
美しい絵の中を飛ぶ[人の姿をした鳥]を見つめながら考えました

点頭てんかんという重い病を抱えながら生きている娘
てんかんの発作に耐え、演劇と水泳を頑張っている娘
あるがまま日々を過ごし、笑っている娘
才能も地位も名誉もないけれど夢と希望を持っている娘
 
幸せって「何もかも奪われてもわたしらしく生きること」なのでしょうか
目の前にいる娘の姿を見て思いました
 
「いつまでも 消えない希望
あるがままを 受け入れる勇気
信じよう 奇跡はきっとあるのだと
黄昏の空にも 美しい虹は浮かぶのだから」

最後のページに記された4行の言葉が心に深く残りました
空を飛ぶ[人の姿をした鳥]を見かけたら
「がんばって。あなたらしく」と
あなたは声をかけることができますか

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ジミー著『ほほえむ魚』(早川書房)

「犬のように忠実で、猫みたいに心がかよい、恋人のように愛しい魚」とぼくの不思議な物語~人間の孤独、運命、そして、本当の人間のやさしさとは何かを考えさせられます

 ぼくは、ぼくだけにほほえむ魚に出会った。魚は、いつもぼくを待っていた。じっと見つめるぼくだけのまなざしを。ぼくは、ぼくだけにほほえむ魚を小さな水槽に入れて、家につれ帰った。「犬のように忠実で、猫みたいに心がかよい、恋人のように愛しい魚」とぼくの生活が始まった。

 眠ったはずの魚は、水槽ごと緑色に輝きながら、空中を漂ってゆく。ぼくは、あわてて追いかける。魚のあとを追って、真夜中の通りをさまようぼく、幼い頃踊ったダンスのステップを思い出したぼく、木立の中でかくれんぼをするぼく、朝露でズボンが濡れるまで草むらを歩くぼく、緑色に輝く魚といっしょに大海原を仲良く泳ぐぼく…。大海原を自由自在に泳ぎ回って、ぼくは、はっと気がついた。「ぼくも大きな水槽に囚われたちいさな魚だったんだ」と。
 めざめたぼくとほほえむ魚のその後は…。

 「犬のように忠実で、猫みたいに心がかよい、恋人のように愛しい魚」とぼくの不思議な物語です。人間の孤独と運命を幻想的で美しい絵とユーモラスな語りで綴った物語、自分の孤独と運命から目をそらさずに向き合った作者だからこそ綴れる物語ではないでしょうか。人間の孤独、運命、そして、本当の人間のやさしさとは何かを考えさせられます

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ジミー『君をみつめてる』(日本文芸社)

台湾の絵本作家ジミー・リャオが贈る癒しと勇気のメッセージ集

 台湾の絵本作家ジミー・リャオの60篇の詞と絵が収められたメッセージ集。猫や小鳥、うさぎや熊など動物と人間が関わる姿が、それぞれの言葉と対をなすように描かれていて、60篇の寓話を読むように愉しむことができます。

 

 最低の絶望のなかにいるあなた、夢と現実のあいだをさまよっているあなた、そして、不条理を抱えているあなた、最初の一歩をどう踏みだせばいいのかわからないあなた、そんなあなたの心に沁みるメッセージ。
 希望の井戸
 リンゴの木の下で
 相対論
 偏屈・・・など

 台湾の絵本作家ジミー・リャオが贈る癒しと勇気のメッセージ集。ジミーの言葉は、美しく清らかな一輪の花をあなたの心に届けてくれるでしょう。そして、あなたにしかできないこと、あなただけの幸せがあることをさり気なく教えてくれるでしょう。

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2005/02/07

台湾の絵本(宝迫典子さんの翻訳)『いすになった木』、『たね、ぺっぺっ』、『ぼく、グジグジ』

 自分が親しんできた絵本や童話を振り返ってみるとドイツやフランス、イギリスとヨーロッパの作品が多いように感じます。案外、アジアの絵本や童話を読んでいないことに気づかされました。
 中国語の翻訳に携わっていらっしゃる宝迫典子さんのHPにて、台湾の絵本を知り、素敵な作品に出会いましたので、ご紹介させていただきます。
kiminoirubasho
 
 『君のいる場所』『地下鉄』『君がいたとき、いないとき』など、台湾の絵本作家ジミーさんの作品の翻訳もなさっていますが、今回は、『いすになった木』『たね、ぺっぺっ』『ぼく、グジグジ』をご紹介させていただきます。
 宝迫典子さんのHP☆しのわずり☆は、こちら。最近、「しのわずり」中華に関することをいろいろなんでも・・・というブログを始められました。こちらです。

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