2008/02/25

河合隼雄著『ケルト巡り』(日本放送出版協会)

 継続的に読んでいるローズマリー・サトクリフの作品を通して、ケルトの文化に興味を抱いています。ユング心理学の第一人者である河合隼雄さんの著作集(全14巻)も再読しながら、ケルトとユング心理学と現代を生きる私たちを結ぶ一冊を見出しました。『ケルト巡り』です。
 サトクリフの作品の理解へと向かう本ではありませんでしたが、ケルトの文化が、これからの日本の癒しへの大きなヒントを与えてくれるのではないかという示唆に心惹かれました。

 心理療法家である著者が、日本とケルトとの欧米文化にはない共通点に着目して、イギリスやアイルランドのケルトを巡り、ケルトの「おはなし」や音楽、ドルイドと呼ばれる自然信仰などを通して体験したことを生身の言葉で語った一冊です。 

 著者は、心理療法家として、親子、夫婦、職場の人間関係、ノイローゼの症状への解決の道を見出しながら、現代という時代をいかに生きるのかという根源的な問いと直面してきました。そして、その解決を求めてケルトの文化へと向かいました。著者の誠実な問いと大胆な着眼点を好ましく思います。

 

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2006/02/16

The Celts 幻の民ケルト人

  以前から見たかった『The Celts 幻の民ケルト人』を観ました。5時間以上に及ぶ番組でしたので、全部観終わるまで2週間ほどかかってしまいましたが、見応えのあるすばらしい内容でした。

[The Celts 幻の民ケルト人]

 オーストリアのハルシュタットからアメリカのボストンにある移民墓地まで、ケルト民族の奇跡をたどる歴史考古学的映像。英国BBC1986年制作、日本では1989年にNHK教育テレビで放送されました。

2500年前のオーストリアの塩の鉱山、緑野にたたずむ遺跡、深い森で行われるドルイドの秘儀、生け贄を詰め込んで燃やす巨大な人形・ウィッカーマン、グネストゥルップの大釜からケルズの書・・・失われたケルトが再現映像と現地探索により甦っています。

Disc 1>
■第1話「黄金の靴を履いた男」
■第2話「民族国家の誕生
■第3話「多神教の神々」
<Disc 2>
■第4話「開かれた曲線」
■第5話「最後の闘争」
■第6話「遺されしもの」

懐古主義的にケルトを映像化するのではなく、ヨーロッパ文化の源流としてのケルトを再発見し、ヨーロッパ最初の民族としてのケルト民族を再評価する番組として意義を感じました。西洋文明の基層をなすケルト文化を再発見することを通して、現代文明が直面している諸問題の解決の糸口が見出せるのではないか。

日本における縄文文化と西洋におけるケルト・・・人間が無意識の層にもつ遠い記憶を辿る営みの大切さを直観した番組でもありました。音楽担当はエンヤ。この番組のサウンドトラック「The Celts」が彼女のデビューアルバムとなり、エンヤを世に送り出した番組としても楽しめます。

続けて、ケルトに関する本を2冊読みました。以前、河合隼雄氏の『ケルト巡り』という本を読み、サトクリフの作品への理解とユング心理学の学びを深めるきっかけとなりましたが、今回BBCのDVDを観て、2冊の本を読み、これまで自分が求めてきたユング心理学(深層心理学)グリムの昔話ケルト妖精物語マザーグース、児童文学の学びが、一つのものとなってゆくことを感じつつあります。

地球交響曲にエンヤが出演しています。ぜひ観たいと思っています。

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